名古屋大学(総長:松尾清一)は,株式会社大丸松坂屋百貨店,松坂屋名古屋店(店長:近藤保彦)と,平成29年5月11日に包括連携協定を締結しました。
この協定は,文化,産業,教育,学術等の分野で,松坂屋名古屋店と名古屋大学が相互に連携し,両者の得意分野を生かして共に活動していくことを約束するものです。
名古屋大学が持っている資源は多岐にわたりますが,まず最初の計画案として,情報学研究科が得意とする情報通信技術(ICT:Information Communication Technology)を駆使して,百貨店が季節ごとに行うバーゲンや販売促進イベントを開催することなどによる「きっかけ」を動機としたお客様の動向を分析することで,新しい価値観を生み出し,更なる顧客勧誘活動へつなげるための各種施策を実施する予定です。またスマートフォンやタブレット端末用のアプリ開発やIoT(Internet of Things)技術を駆使することで、店舗のみならず、栄地区全体の地域活性化に寄与するための社会実験を行っていきます。これらの取り組みには情報学研究科の教員のみならず、大学院生等にも研究の実践的なフィールドとして提供するなど、産学連携や人材育成の観点からも相互に協力していくことを予定しています。
村瀬洋・情報学研究科長は,今回の提携について,「百貨店との本格的な実証研究を通じて,情報学の多面的な可能性を広げていきたい」と意欲を示されました。また,近藤保彦・松坂屋名古屋店長は,「今回の連携により,JFRグループが目指す「暮らしの新しい幸せを発明する」を一歩ずつ実現していきたい」と,今後の協力関係への期待を述べられました。
この連携活動を担当される遠藤守・情報学研究科准教授からは,この連携には,「これからのICTを活用したまちづくりは、特定のプレイヤーの参画のみでなく、民間企業や大学、自治体や地域コミュニティなどが協力しあうなど、地域が一体となって情報化を進める必要がある」というポイント(視点)があることを解説していただきました。